7月 24

 前回のつづき。相変わらず、独断と偏見で。どの読者層に向けて書いているのかがわからず、難儀してますが。いちおう、「ファッションに困ってる人」向け。

■ファッションはお金と時間をいかに効率よく使うかの戦い

 お金と時間がたっぷりあれば、誰だってオシャレさんになれる。まちがいない。ファッションに月50万円使えるなら、誰だってオシャレさんにはなる。まちがいない。伊勢丹かバーニーズにでも行って、そこそこのブランド品(ディオールとかギャルソンとか)をミックスしたコーディネートを何十パターンも見繕ってもらえばいいんだから(長袖シャツで4万クラスのモノを)。そうすれば、「いつも同じ服着てるよね」ということもないし、クオリティも最低限保証される。

 でも、そんなにお金無いよね、というはなしなわけで。だから、一般人のファッションは、時間とお金(いかに効率よく自分を演出するか)との戦いになる。戦略として、要領のよさが求められる。ここで、ファッションをめぐるふたつの力を理解するひつようがある。

■流行(サイクル)vs いいもの(持続)

 ファッションには流行がある。少し前でいえばスキニーデニム、ショート丈、革ブルゾンなど。女の子のファッションで現在進行形なのはワンピース・スタイルやかごバッグかな?半年前~1年前あたりに、ランクの高いコレクション(パリコレ・ミラノコレクションなど)で、各ブランドが表現した世界観が、トレンドを決める。正確に言えば、各ブランドが表現した世界観が、ハイファッション誌(たとえばVOGUE)や、ファッションリーダーたち(たとえばケイト・モス)や、高級ショップのバイヤーたちに受け入れられることによって、トレンドが決まる。

 海外にアンテナを張っている国内アパレル業界の人間は、そのトレンドに沿った洋服を安く中国で生産しはじめる。一般ファッション誌が、国内アパレル業界と結託して、このトレンドが流行りそうだと煽りはじめる。トレンドは完成した。お金持ちは(トレンドを生み出した/「本物の」)ブランド品を、伊勢丹なんかで購入して、身にまとう。庶民は、トレンドをフォローして、国内アパレル企業が中国で生産した洋服を、セレクトショップかなんかで購入し、身にまとう。トレンドフォローの速度が早く、かつ値段が安いショップ(ZARA・ROSEBUDなど)は、人気店となる。

 <「ブランド品」というのはあくまで「オシャレ弱者」のために用意されている(前リンク先)>、という表現は正しくない。ブランドは最低限のクオリティ保証をしてくれる、という意味では「オシャレ弱者」の味方だが、最先端を走ってもいる。ファッション業界が、ブランドという池の外に泳ぎ出ることはない。

 ファッション業界の人間と街を歩いていると、おまえ何様だよ、と苦笑することがある。デザインが斬新で可愛いなぁ、なんて思いながら街を歩く子を見ていると、「ああ、あれは3年前の冬のコーディネートそのまんまだね」とばさっと切り捨てられる。業界の目が肥えた人間にとって、あるいはファッション感度が高すぎる人間にとって、トレンド(を追えているかどうか)は決定的に重要な要素なのだ。

■トレンドに左右されないもの

 他方、トレンドに左右されないモノもある。ひとつは、完成度の高いベーシック・アイテム。スーツ、ジャケット、シャツ、革靴、デニム、ブーツ、時計、Tシャツ、ボストンバッグ、なんでもよいのだが、ベーシックなアイテムは朽ちることがない。

 ふたつめに、「どう考えてもこれは良いよね」という、トレンドに左右されず、モノ(デザイン)それ自体に強度をもっているブランド商品もそんざいする。Berlutiの革靴だったり、Hermesのバーキンだったり。

 自分は、トレンドに左右されない、ベーシックなアイテムほどお金をかける。形はベーシックで、柄や雰囲気が独特なモノが好きだ。ジーンズなら3万円払うことを厭わないし、靴やジャケットならもっと払うことを覚悟する。形がシンプルなモノこそ、勝負をかける。無難なデザインのものは避け、独特な主張があるアイテムを買う。で、毎年、これでもかというほどフル活用する。さらに、ベーシックなアイテムで質の良いものを準備しておくと、高級な場所に行ったときにも後ろめたい思いをすることがない。つまり、基本的に自分は、ちょっと小技の効いているベーシックアイテムで勝負をして、トレンドはほとんどフォローしない。ファッション誌はもう3年くらい買ってない。この季節だと、デニム×タンクトップ×シャツというコーディネートが一番多いのだけれども、それぞれのアイテムがそれなりに凝っているから、野暮ったくならずにすむ。しかも毎年使える(業界人の目は無視でおk)。

 一方、トレンドに乗りたいときは、古着屋や、BeamsやAmerican Lag Cieなどのセレクトショップで安く済ませる。トレンドを生み出したブランド品ではなく、トレンドフォローの国内アパレル品で十二分だと思う。たとえばスキニーデニムならば、ユニクロの3000円のやつで十分すぎると思った。そして、質の高いベーシックアイテムに、古着屋なんかで買ったお遊びのトレンドフォロー品をミックスしても、面白い。

■年齢とファッション

 おそらく、メンズノンノを読むような平均的日本人男は、歳を経るにつれて、おおまかに次のような遍歴をたどる場合が多いんじゃないかと思う。自分はいま3~7重複中だなぁ。このまま行くと、コヤジ通信さんみたいな世界に突入するのかもしれないが、それはそれでお金がかかるし辛いなぁ。

1.ジーンズメイト・ライトオン・ユニクロ・無印良品=小学生・中学生・オールラウンド

2.丸井系・パルコ系(コムサデモード・JUN MEN・PPFMとか)=高校生

3.大型セレクトショップ(BEAMS, UNITED ARROWS, SHIPS, JOURNAL STANDARD, AMERICAN LAG CIE, B2ndなど)=高校生~社会人

4.個人でやってる・中小セレクトショップ・ストリートブランド路面店(ハリウッドランチマーケットとか)=高校生~大学生

5.古着屋(CHICAGO, per gramme marketとか)=高校生~大学生

6.ブランド古着屋(LAGTAGなど)=大学生~社会人

7.高級百貨店・百貨店内のブランドショップ・高級セレクトショップ(伊勢丹・バーニーズ・ESTNATION・リステアなど)=大学生~社会人

8.ブランドショップ路面店=大学生~社会人

■同性ウケ/異性ウケ

 前回の図をふたたび使えば、Aまでは同性ウケ+異性ウケ、A以降Bまでは同性ウケのみといった感じ。つまり、異性ウケだけを狙うならば、少ない投資で最大効用を目指せばよい。そこそこオシャレであれば、それ以上頑張っても、異性にとって魅力的な存在とはならないのだ(むしろやり過ぎはマイナスにすらなりやすい)。ファッションに「うんちく」を持ち込んでも、あくまで同性にしかウケないことに注意を。○○年モノのヴィンテージだとか、赤耳のリーヴァイスだとか、NIKEの復刻版だとか、ショップ別注限定コラボモノだとか、イタリア最高級のコードヴァン革を使っているだとか、NASA御用達だとか、そういう雑誌Begin的な「うんちく」が思いつく場合、まずそれは異性ウケしない(効率悪い)と考えた方がよい。

 凝れば凝るほど(x軸を右へ行けばいくほど)、効率は悪くなっていくという上図の鉄則を思いだそう。スニーカーを20足揃えました、とかは、異性ウケを狙う場合、最悪。広く浅く、すべてがそつなくAの地点まで達していることが重要。髪型が一番大事、次に靴、カバン、ベルト、時計、靴下、ボトムス、トップス、アクセサリー、すべてを平均点以上にもっていくことがポイント。どれかひとつでも抜けていると、「しょぼいなコイツ」と思われてしまう。とくに、靴と靴下には細心の注意を。ひとつのものに凝らなくていいから、すべてに気を抜かないのが、モテ系ファッションの原則。

■脱オタについて

 (脱ヲタサイトに紹介されている)丸井系は、止めた方がよいと思う。結局バカにされるから、それじゃあ、脱オタになってないので。ずぶのファッション初心者なら、大型セレクトショップ(BEAMS・ラグシー)とかで店員にコーディネートしてもらうべきだ。ブランドが偏らないし、丸井系よりは圧倒的にマシ。脱ヲタはBEAMSかラグシーにおまかせでいいじゃん、と思う。はじめは店員にびびるかもしれないけど、ショップ店員なんて、所詮、ショップ店員だからまったく余裕だって。(『プラダを着た悪魔』のように)VOGUE編集長に挨拶するわけじゃないんだから。それに、大手は大手だけあって、社員をきちんと教育してるから、親身に相談に乗ってくれる人が多い。

■さいごに

 ファッションはまず楽しむモノだし、あれこれ悩むのは最悪なのだが、自分を魅力的にみせるツールと割り切った場合、費用対効果をつねに意識するひつようがあるとおもう。一般人レベルでいえば、時間とお金を効率よく配分できる人がオシャレと呼ばれるのだと思う。

 ブランド品は、「時間をお金で買う」側面が強い。あれこれ探し回れば安くておしゃれなものはあるだろうけれども、歩き回る時間がないから、もう伊勢丹のこれでいいや、といった具合に。時間をかけたくなければ、お金をかける。時間が有り余っているのなら、お金はそれほどかけなくても良いかもしれない。足で稼ぐ。

 ファッションは、試行錯誤しないと、何が自分に似合うのかがわからない。だから、あれこれ買って試してみる勇気がひつようだ。お金がないなら、安い古着をたくさん買って、あれこれやってみよう。そのうち、自分がしっくりくる基本的なコーディネートが確立されていくと思う。それが確立されたら、今度は、それを少しだけ崩すかたちで「遊び」のコーディネートをする余裕ができる。守→破→離ですな。

 あとは、Elasticさんみたいな良心的Blogに目を通していれば、人並み+アルファは余裕だと思う。くわえて、TPO(空気)さえ読めれば、怖いものなし。

>>おまけ


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