12月 06

 infobar2ネタは7月に1回扱ったんですが、最近同キーワードでのアクセスが多いみたいだし、結局、上の写真とおなじ錦鯉色を買ってしまったので、感想その他をちょいと追記しておこう。語り口はふたつ。1.記号的側面(松村さんがinfobar2を「セクシー×レトロ」だと評したように)、2.実際の使い心地や機能について。使い勝手だけ知りたい人は、1をすっ飛ばして2を読んでくださいな。

■infobar2の記号的側面

 何が「セクシー×レトロ」だよ、ったく(苦笑) 松村さん、女性ファッション誌のライターじゃないんだから。まず、初代infobarに比べて凡庸になっちまったなぁ、という感想。infobar2に「オシャレ」だとか「ケータイデザインの最先端」だとか幻想を抱いている人は、ちょっとセンスがないと思う。下の写真が初代infobarだけれども、デザインの質の差は明白だ。初代infobarは角張っている。この「角張り」は、物理的に角張っていたというだけでなく、記号的な意味でエッジが立っていたということでもある。つまり、初代infobarはケータイデザインの最先端を走っていると自負して良かったと思う。だが、infobar2は、物理的にもデザインの洗練度的にも、おとなしくなってしまった。良く言えば、安心して買えるようになったわけ。

 また、初代の錦鯉カラーは、当初、皆が買うのをためらって「うげっ」と感じていた。だから、逆説的な意味でトレンドの最先端だった。けれども、infobar2の場合、みんながはじめから発売を期待していて、錦鯉カラーは「オシャレ」であることを約束されていて、実際の販売数も一番人気だという。安心して買えるモノは、もはやトレンドを走っていない。これが、ファッションやデザインの鉄則。賛否両論で騒がれているモノがトレンドを体現しているのであって、皆が肯定して騒がれているモノは、もはや凡庸なプロダクツでしかない。革新的なデザインは、かならず抵抗に遭い、抵抗する人々の欲望をねじ伏せんとする躍動を持つ。その意味では、強いて言えば、midori色のカラーが今回の目玉であることは間違いないだろう。じゃあ自分はなぜinfobar2、それも錦鯉色を買ったかって?それは、ただ、ストレート端末と赤色が大好きだから。


  初代infobarとinfobar2のちがいは、「が」と「で」のちがいに集約されると思う。「これいい」と「これいい」違い。原研哉『デザインのデザイン』を参照すれば、無印良品の企業理念は、次のようなものであるという。

 無印良品は地球規模の消費の未来を見とおす視点から商品を生み出してきました。それは「これがいい」「これでなくてはいけない」というような強い嗜好性を誘う商品づくりではありません。無印良品が目指しているのは「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくこと。つまり「が」ではなく「で」なのです。しかしながら「で」にもレベルがあります。無印良品はこの「で」のレベルをできるだけ高い水準に掲げることを目指します。(無印良品-無印良品の未来)

 初代infobarは「これがいい」を体現していた。エッジの立ったプロダクツだった。でも、infobar2は、「これでいい」という、「で」のレベルを高水準に保った一般向けの製品となってしまった。もちろん、どちらにも良いところがある。「が」は個人の意志をはっきりさせる潔い態度だ。他方、「で」は、抑制や譲歩や一歩引いた理性をあらわす。初代は良くも悪くも尖っていた。他方、infobar2は、無印良品的な意味での落ち着きを備えている。これ「で」いいプロダクツだけれども、やはり高水準の「で」が実現されているとは言える。ハイレベルな凡庸を体現した、愛すべき「かまぼこケータイ」。

 でもなぁ。個人的には、ダメ出ししたい。深澤直人さんのデザインを見ていると、最近は「が」から「で」へのシフトが顕著であるようで、そのことがすごく残念だ。皮肉にも、この頃では、彼のデザインよりも、彼の書いている文章の方がエッジが立っているような気がする。彼が書き散らかした散文は「が」を秘めていて面白い。

 au design projectには、実はとてつもないデザインを備えたケータイがいくつもあるのに。コンセプトで人を惹きつけといて、でも出てくるモノは凡庸という、まぁよくあるブランディングの手法がちょっと目に付きますな。写真をいくつか貼って紹介した後に、infobar2の機能面・使い心地の感想を書きます。

■infobar2の使い心地

・電池の持ちはあまり良くない気がする。
・ワンセグアンテナ内蔵ですっきりしてるけど、感度はかなり悪い。都心でも映らない。まぁ、見ないからいいけれど。
・サクサクではない。EZウェブで画面を前後に行ったり来たりするときにモタついていらいらする。
・有機ELディスプレイ採用で、液晶は驚くほど綺麗。でも、VGA端末にはかなわない。
・一番暗く設定しても、ディスプレイが眩しすぎる。ちょっと目が疲れる。
・ICレコーダーが付いている点はとても良い。音質もそれなりによい。これは予想外に便利かも。
・プライバシー機能(設定したアドレスからメールが来たり、メールを送っても、一切痕跡が携帯に残らない機能)は便利。
・キーの押しやすいけど、もう少し小さくていいかな。
・バイブレーションの動作音が異常にうるさい。モーター回ってます、という感じ。でも振動は大きくないという皮肉。
・カメラ画質はうんこ。
・ステレオスピーカーの音は良好。
・一番致命的なのは、通話するとき相手の声が聞こえにくいこと。かなり音が小さい。talby以下かも。これは個人的に一番キツい。

 まぁ、そんな感じです。合う人には合うと思う。

【以下、2007/07/16に書いた記事】—————————–

 この秋口に出るといわれてるけど、てらほしすなぁ。おなじみの錦鯉カラー。携帯は美しくシンプルであってほしい。LISMO?ナップスター?音楽機能?ipod使う方が便利だからいりません。高性能カメラ?デジカメで撮る方がいい作品撮れるのでいりません。ワンセグ?テレビはくだらないので見ません。スポーツ観るなら大画面で観たいし。おりたたみ機種?勘弁してください。メール打ったり電話かけるたびにぱかっと開かなきゃいけないのは億劫でしかたありません。

 シンプルで美しいストレート端末がほしい。au design projectの端末を渡り歩いてきたけど、最近出たmedia skinは失敗作だと思う。ぶっちゃけ、デザインが野暮ったい。なんかダサイ。あれを悦んでいる人はセンスを疑った方がいい。iPhoneもまったくそそられない。タッチスクリーン式は使いにくいし、デザインもそれほどアヴァンギャルドだと思えないし、携帯にごちゃごちゃ機能が付いているのは嫌。そんなにいいか?

 家の鍵を持ち運ぶような感覚で、ポケットにすっとおさまるスマートな携帯、そんな役廻しをinfobar2には期待したいなぁ。

 ちなみに、電話、メール以外で携帯で使う機能は、ひとつはウェブブラウジング。Livedoor Readerという世界最高のRSSリーダを活用して効率よく情報摂取。あとは「p2」を使って2ch閲覧。ファイルシークを利用してパソコン用のウェブサイト閲覧。もうひとつは、おサイフケータイ機能。しゃりーん。最後は、EZナビウォーク+助手席ナビ。これはマジで便利。GPS個人ナビって、通話とメールをのぞけば、携帯の最大の存在意義なような気がする。電話番号か住所さえわかれば、地図がまったく必要なくなるんだから、素敵なもんだ。携帯の大画面はワンセグのためじゃなく、ナビのためにある。


1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (7 votes, average: 2.14 out of 5)
Loading...Loading...
19,058 views | add to hatena hatena.comment 2 users add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user |  http://plaisir.genxx.com/wp-trackback.php?p=32



Amazon Related Search

Leave a Reply