7月 13

 ―― 映画の悦楽、それは、1.自分の意味世界を動揺させてくれる(深い思索の奈落に突き落とされる)、2.言葉ではついぞ辿り着けなかった「これだ!」という感覚を与えてくれる、3.審美的な映像と音の美しさを堪能する、4.息遣い荒くなるようなスペクタル・エンターテイメント(ひたすら面白い)、5.俳優の演技や美しさに恋をする。どれかを満たす映画を愛し、邂逅を求め、今日もついまた一本。

ここにあるやつ以前のReview
 

最近観た映画をメモ #2005/06/01-

■ フランソワ・トリュフォー 『終電車』 フランス、1980年、94点

 あらすじはこちら。「終電車」というタイトルは、ナチス占領下のフランスで、夜間外出禁止令が下されていたため人々は「終電車」に殺到した、というところから付けられている。もうね、これも本当に圧倒的な作品で、ある意味トリュフォーのNo1作品と言って良いかもしれない。3つだけ。一つ、歳を重ねてもあくまで美しいカトリーヌ・ドヌーブ。美しさといっても、「圧倒的な存在感の宿った美しさ」がドヌーブの特徴。アイドルの美しさとは根本的に違う。もうただ、自分が捉えられてしまう。ロックオンされてしまう。二つ、設定の巧みさが、極めて深い陰影を映画全体に与えていること。ドヌーブと、演劇の舞台上で恋人役を演じる若い男優、および(ユダヤ人のため)その舞台の地下に身を潜める演出家である夫。どちらにもドヌーブは惹かれている。揺れ動く。その力学が凄い。どちらに対しても、完全に恋心が満たされることがない。<現実/演劇>および<地上/地下>という二つの境界線が、ブレーキになっている。その境界線は互いに影響を与えながら、揺らぎ、ドヌーブの美しさの存在感はさらに増してゆく。
 
 ラストシーンの撮り方も、映画史上に残るものといえるだろう。もうご覧になった方には注意して観て欲しいのだが、はじめは病院が現実のものとして撮られている(背景に見える向かいのビルで実際に人が煙草を吸っている)が、ワンカットの切り返しで、その背景が舞台上の描かれた大道具にすり替わっている。映画だからこそできるウルトラCの演出法だが、これは、<現実/演劇>の境界線のあいまいさを、トリュフォー自身が巧みに描いたものとして再解釈できるのではないだろうか。戦争もきちっと描かれている。文句なし。圧倒的名作。

■ フェデリコ・フェリーニ 『カビリアの夜』 イタリア、1957年、92点

 あらすじはこちら。フェリーニの中ではおそらく一番観やすい映画。主演女優かつフェリーニの妻である、ジュリエッタ・マシーナの演技に尽きる。が、本当に、フェリーニのキリスト教に対するまなざしに感嘆させられる。というよりも、自分のキリスト教に対する理解は、フェリーニに負うところが大きい。この映画に関しては3つ。一つ、マリア様の慈悲が、救いなんだけれども狂気として描かれていて、この狂気が全体のトーンを支配しているからこそ、ラストシーンが際立つ。二つ、ラストシーンにおけるジュリエッタ・マシーナの顔演技。この顔演技は今まで観てきた映画の中でも5本指に入る。彼女があえて「カメラをのぞき込む(観客に視線を移す)」のにはドキっとした。あのおかげで、彼女の存在が、映画を観ている自分自身に接続された気がしたのだ。三つ、人間は、他者を求め、他者に裏切られ、絶望に陥り、他者の笑顔にまた自分も笑顔する。悟りの境地など要らないのだ。泣いて苦しんで笑って踊って、永遠にぐるぐる回り続けるからこそ、人生に陰影が生まれるのだ。

■ ジャック・ドゥミ 『ロシュフォールの恋人たち』 フランス、1966年、95点

 もうこれは文句のつけようがないミュージカル映画。よってコメントなし。ドヌーブも相変わらず凄まじく美しい。鑑賞後、史上最強にハッピーになる映画。これを観ないのはただの馬鹿、ってか勿体ない‥ ひとつだけ言うならば、冒頭で、みんなが踊っている広場をパンフォーカスしている状態から、徐々にマンションの一室へとカメラがズームインするシーン。痺れた。コテコテでベタなストーリーを、これだけ華麗に、かつ幸せ感充ち満ちて撮れるのはすごい。街角の踊りは、軽やかに出会って、離れて、異なる人と重なって、またどこかで出会うものだ。カメラワークが、その交差のさまを過剰なまでに表象している。人がたまたま交差して、別れて、またどこかで出会う。カメラは途切れることなく、軽やかに、まるでミュージカルのダンス・ステップのように、追う対象を切り替えてゆく。街角だからこそすれちがう、すれちがうからこそ高まる恋のドキドキと切なさ。ああ、幸せだ。

■ フィリップ・ガレル 『純粋なまでの残酷さ』(邦題『白と黒の恋人たち』) フランス、2001年、82点

 内容はこちら。フランスの巨匠ガレル監督の本作は、「P・ガレル監督自身が、60年代末に運命的な出会いを果たしたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫・ニコとの愛の日々をモノクローム映像で綴る」という自叙伝的な映画。とにかく仕掛けが凄い。まずこの映画は、「映画を撮る男女」を描いている。つまりこの映画の中に、映画の主人公たちが撮るもうひとつの映画が混入する。この映画の主人公は、ヘロイン根絶を訴える映画を撮ろうとする。彼は街角で出会った女性と恋に落ち、彼女をヒロイン役として映画を撮りはじめる。なぜ監督役の主人公がヘロイン根絶を訴える映画を撮ろうと思ったのかといえば、彼が昔付き合っていた女性が、かつてヘロインで死の世界に落ちていったからだった。つまり、ガレル監督は(この映画の中の)監督役の主人公に自分を託しているのだが、それと同時に、主人公本人が、現在のガレル監督の立ち位置になっているのだ。
 
 また、映画の中では、結局、ヘロイン根絶を訴える映画でヒロインを演じている女性が、実際にヘロインに手を染めて皮肉な結末を迎える。ここにガレル監督の身を切るような「ヘロインに対する恨みと畏怖」を見た。つまり、ヘロイン根絶を訴える映画を撮っている人間がヘロインに負けるという皮肉な結末を描くことによって、破滅と恍惚が表裏一体となったヘロインの魔力を、まざまざと観客に見せつけるのだ。主人公の監督役は現在のガレル監督の立ち位置であるのだが、彼がヘロインに恋人=ヒロインを奪われるを描くことによって、逆にガレル監督のヘロインに対する切なる執念を見せつける結果となった。まずは現実と虚構を巧みに操作して鮮やかにメッセージを伝えるその手法に拍手を贈りたい。でも、その巧みな操作が緻密であるがゆえに、逆に、ガレル監督の若かりし日々への複雑な想いと執念が滲み出ていて、思わず言葉を無くしてしまうのだ。とにかく観てください。

最近観た映画をメモ #2005/05/01-

■ フランソワ・トリュフォー 『柔らかい肌』 フランス、1964年、81点

 典型的な不倫モノ。「文芸雑誌の編集長にして評論家でもあるピエール・ラシュネーは、リスボンへの講演に赴く飛行機の中で、若く美しい客室乗務員ニコルと出会う。二人は異国の地ですぐに恋に堕ちた。やがて妻子のあるピエールは、ニコルとの新しい生活を夢見るようになるが、彼女はそれを拒絶する。ピエールは孤独になって妻フランカに謝罪の電話をするが、すれ違うように不貞を知った彼女は、猟銃を手にして彼の元へ向かう…」というあらすじ。自分は男なので、過去の記憶等々と重ね合わせつつ、むず痒くてしょうがなかった。「快作」といった趣のシンプルな映画だが、ライトのon/offであらわされる陰影の巧みさはため息モノ。光が語る。そして何といってもフランソワーズ・ドルレアックの美しさに尽きる。彼女はカトリーヌ・ドヌーブの実姉であり、25歳で交通事故のため他界した。
 
 西欧系の顔立ちがあまり好きではないのもあって、映画女優に恋することは滅多にない。だが、フランソワーズ・ドルレアックと、彼女の妹であるカトリーヌ・ドヌーブにだけは、すべてを捨ててのめり込みそうになる。画面を突き破って映像世界に侵入したいという衝動に駆られる。自分が「シネマ・スター」に憧れたのは、この姉妹にだけ。二人が競演したのがミュージカル映画『ロシュフォールの恋人たち』なのだが、ずっと観ずに敢えてとってあるというこの回りくどさ。それくらいこの姉妹はオススメ。はぁ‥

■ ヴィットリオ・デ・シーカ 『ひまわり』 イタリア、1970年 97点 (男優 :マルチェロ・マストロヤンニ、女優 :ソフィア・ローレン )

 イタリアの巨匠、デ・シーカの想いが詰まった、語るのが馬鹿らしくなるほどの名作中の名作。戦後、ロシアでロケされた世界初の映画。究極の戦争映画にして、究極の恋愛映画。それにしても、デ・シーカの力量には驚かされる。焼夷弾が湖畔の静かな夜明け空を軽やかに舞う。なんと美しいことか、そして美しさが、どれだけの残酷さを刻みつけていることか。
 
 個人的に一番好きなシーンは、ソフィア・ローレンがマストロヤンニを探してロシアを電車で移動中に、ひまわり畑が揺れるシーン。あのカメラワークには鳥肌を通り越して胸が詰まりそうになった。デ・シーカの描く、リアリスティックかつ穏やかな諦念が滲み出た空間に、過去の――愛・諦め・切断・持続にまつわる――記憶が溶け出していくのを感じた。

■ フランソワ・トリュフォー 『恋のエチュード』 フランス、1972年 91点

 「処女」の扱い方に度肝を抜かれた。思想的にいえば、処女は必ず、妄想のふくらみと現実による貫通=出血を伴う。キリスト教的背景が強ければ強いほど、処女性は人間のターニングポイントを担う決定的な契機となる。一夜が過ぎて、真っ赤に染まったシーツ。初夜は心の空隙を満たす=襲うものであったのだが、同時に、長年想い抱いてきた恋の精算を行うことでもあったのだ。あなたに抱かれてはじめて、あなたに長らく抱き続けた失明するほどの想いは流れ出たのだ。真っ赤な血となって。そして彼女は一人で歩き出す。

■ キム・ギドク 『サマリア』 韓国、2005 87点

 打算や狡さや諦めに囲われているからこそ、愛は甘美になる。ごまかしの無い愛なんて、ひたすら残酷で痛くて目を覆うしかない。その「痛みを抱えて生きる」さまを象徴的に描いた映画。
 
 性/愛は与えるものであると同時に、「惜しみなく奪う」もの((C)有島武郎)。だから愛は痛い。ひたすら痛い。人間の痛みが全面的に滲み出る。男から女、女から男への愛。はたまた、親から子、子から親への愛。友人から友人への愛。すべて、何か与えると同時に、何かを奪い去ってしまう。自分の中からも何かが損なわれてゆく。愛の痛みが連鎖したとき、言葉も失うような事態が進行する。ラストシーンがあまりに素敵で、涙を流した。愛の痛みの連鎖によって、もう取り返しのつかないところまで来てしまった、父と娘。沼地にはまり、アクセルを踏んでも進まない、娘の運転する車。父は、自らの愛の爪痕を償うために、先へ先へと進んでゆく。わたしたちが失いゆく誰かを追いかけるとき、おそらく、アクセルを踏み続けるけれども前進しない車なのだろう。エンジンの煙だけがもうもうと舞い上がる。アクセルを離せば静寂が訪れる。鳥肌が立った。

最近観た映画をメモ #2005/01/01-

■ クシシュトフ・キェシロフスキ 『愛に関する短いフィルム』 ポーランド、1988年、83点

 あらすじはこちら。観てから随分だったので、感想は書けないが、映画好きならこの監督を確実にチェックしておくべし。美しくて濃いんだよ、ばかやろう。

■ フランソワ・トリュフォー 『華氏451』 フランス 1966 85点

 マイケル・ムーア『華氏911』の元ネタ的存在。ブラッドベアリの原作を見事に映像化したもの。「華氏451」とは紙が燃える温度のこと。「焚書坑儒」やナチスの禁書など、圧制には常に「書物を焼くこと=想像力を奪うこと」が伴う。この映画に出てくる「fireman」は消防士ではなく本を焼く職業人(fire/man)だ。本が見つかったと通報されると直ちに焼きに行かねばならない。政府は問いかける。想像力は人を不幸にしているのではないか。現実に起きていないことを考えさせてしまう書物など、人を不幸/愚鈍にするだけではないか。どれだけの書物が人を悩ませ、あらぬことまで思い至らせ、動揺させてきたのだろう。想像の世界に沈溺する必要がどこにあるのか。この問いかけはわたしに重くのしかかる。決して「思想弾圧を扱った映画」などと社会的に観ることはできない。根源的に「想像という営み」を問う映画だ。禁じ手だが、春樹を引用することで答え(仮)にかえよう。――In dreams begins the responsibility.

■ サタジット・レイ 『大樹のうた』 87点 1958年、インド

 文句なく傑作。この種の繊細さには眩暈すら覚える。

■ ジャック・ドゥミ 『シェルブールの雨傘』 1964 フランス 95点

 ミュージカル映画。つまり、せりふはすべて歌。愛した彼が戦争に出かけ、待てど暮らせど還ってこない。登場するもう一人のイイ男。もはや交差しなくなった二人の道。彼はやがて還ってくる。が、それぞれがお互いを知らずに生きている。クリスマスも近い頃、ふたりは雪の中、ふたたび冷たい吐息を交わす――。musicを担当するのはかのミシェル・ルグラン。って書くまでもなく超有名な作品ですが、なぜ今まで観なかったのかと悔やむほどのクオリティ。カトリック・ドヌーブの想像を絶する美しさに股間が立つのも忘れ、陽気さと哀愁がせめぎあう最高なルグラン・ミュージックに心躍らせていれば、画面にはなんとも鮮やかなTechnicolorの色遣い。とにかく観やすい。また、とにかく「面白い」。評論するのも馬鹿らしいほど、映画好きにも、ハリウッド映画しか観ない人にも、おすすめ。これを超えるミュージカル映画はあり得るのか?これを観て損したと感じるヤツがいるのか?

■ リチャード・リンクレイター 『ビフォア・サンセット』 2004 USA 85点

 これも公開中。ってか恵比寿ガーデンプレイスの公開はもう終了したのかな?これ絶対におすすめ。イイ。恋と愛と喪失を、ひたすら登場人物二人の語りで進行させる。語りっつっても回想シーンとか入るわけじゃなくて、ただ、パリの街角をしゃべりながら歩いてるとこを映すだけ。それだけ。あ、一軒だけカフェに入ったか。それだけなのに、それだからこそ、言葉から零れ落ちる余剰が際立つ。ラストシーンも秀逸。見に行け!見に行け!

■ 『きみに読む物語』 40点

 これって「全米が泣いた」とかゆって今公開中でデート利用中心に流行ってるわけですが、付き合いで観たら案の定つまらんかった。タイタニックをしのぐ退屈さ。言葉なし。あとChemistryは氏ね。

■ ゴダール 『女と男のいる舗道』 1962 フランス 90点

 観やすいゴダールのうちの一本。マジでいい。なんつってもアンナ・カリーナ。映像の強度が凄い。この名カット、どっかで観たことないかな?ほんとコレに尽きる。

■ ドゥニ・アルカン 『みなさん、さようなら』(原題『蛮族の侵入』) 89点

 邦題はクソだが、掘り出し物だ。凄まじく観やすくてかつ深い映画。アカデミー賞受賞に監督は不満を持っていたようだが、まさにカンヌ的/アカデミー的要素が監督の力量によって一点に収束してしまった映画だ。つまり面白くかつ深い。なぜならストーリーラインがはっきりしているけれども物語が多方面に拡散しているから。末期ガン=死が医師により宣告され、父親が死ぬまでの数週間の物語。その間にさまざまな蛮族が侵入してくる。父の教養と無邪気な馬鹿さへ、息子の経済力と目的合理性が侵入する。9.11が暗示するアメリカ帝国への蛮族の侵入。日常の理性へのドラッグの侵入。通底奏音として流れる人から人への愛、男から女へ/女から男への愛。セックスも含めた結びつき。だがとにかく、父親が最期に息子に放つ言葉が限りなく美しく、それがカタルシスをもたらす。

――「おまえみたいな息子に育てろよ」

最近観た映画をメモ #2004/12/15-

■ ゴダール 『男性・女性』 70点 1968 フランス

 ゴダールは大好きな監督だが、この映画にはゴダールの駄目な部分が集約されているように感じた。映像の強度もコラージュもセリフもプロットもいまいち。唯一救いなのは、ジャン=ピエール・レオの演技とシャンタル・ゴヤの仕草&声。こーいうの、タイプだわ。

■ サタジット・レイ 『大河のうた』 92点 1957年、インド

 黒澤明に敬愛を注ぐインドの名監督、サタジット・レイの名作。寓話的ではあるが、痛いほど母と子の原初的な関係を抉り出している。独特な脅迫感のある映像と音は、黒沢の影響をたしかに感じさせる。本当に痛い映画だ。母と子の間には、原初的負荷が存在している。それが二人を互いに狂わせる場合も多々あるが、この映画は、ただただその原初的負荷を象徴的/寓話的に描き出す。

■ キャロル・リード  『第三の男』 96点 1949年、イギリス 男優:オーソン・ウェルズほか

 本当にこれを映画の最高の教科書といわずして、何と言おう。身の引き締まったストーリー展開の中に、剃刀のようなぞくっとくるカットが散りばめられている。特にハリー(オーソン・ウェルズ)が正体をあらわす際の演出ときたら!ラストシーンの男の渋い暖かさも見事な演出だ。

最近観た映画をメモ #2004/11/20-

■ フランソワ・トリュフォー  『突然炎のごとく』 90点  男優 :オスカー・ウェルナー/女優 :ジャンヌ・モロー

 たしかに傑作だ。「その瓶は何だい?」「嘘をついた男にかけるための硝酸よ」ってのもなかなかだ。でも、何かジャンヌ・モローをとりまく空気が痛々しかった。この感じた痛みは何なのだろう。自分がこういう女とばっかつきあっているからなのか‥

■ バフマン・ゴバディ 『Turtles Can Fly』 83点 Iran, Iraq / 2004 / 97min. / 1:1.85

 今年のFILMEX、朝日ホールにて。監督自らのティーチ・イン付き。クルド地区の、圧倒的な「地雷」感覚に打ちのめされた。地雷に囲まれて生きる、音感覚と精神感覚。監督の他作品もチェックしてみたい。

■ ゴダール 『女は女である』 90点 フランス、1961

 アンナ・カリーナ、可愛い。惚れそう。ってかジャン・ポール・ベルモンドはやっぱ好きな俳優だ。横顔が堪らない。男なのに。

■ フルーツ・チャン 『ドリアンドリアン』 85点

 もうこれは圧倒的な作品。新たな才能を発見してしまった。ドリアンの視覚的感覚、想像上の嗅覚的感覚(くさい匂い)を核として、主人公が、香港と、雪降る北の中国の間で揺れる軸。娼婦と、過去の青春の間に揺れる軸。一人と、人に囲まれて生きているということに揺れる軸。そして脳裏には常にドリアンのあの奇異な外観と匂いが。監督の香港3部作は絶対チェックせねば。

■ オムニバス 『ten minutes older メビウスの環』 78点

 同オムニバス企画の『イデアの森』と比較すると、時間への考察が浅い分だけつまらない。ただし最後のチェン・カイコー作品は出色の出来。時間の経過によって、過去に生きる人々、彼らの想像力が排除されてしまうというお話。切ない。その人にとっての想像上の世界をみるとき、その人の過去から連続して続いているライフストーリーもみなきゃダメなんだよな。


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