YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編)
クラブ・ジャズ入門。ネット上にクラブジャズを解説したまともな日本語コンテンツが存在しないようなので、今回は「クラブジャズとは何か」を明快に・簡単に・誰でも把握できるよう説明してみます。Youtubeの動画を付けて、なじみのない人にも興味を持ってもらえるよう、極力工夫します。おしゃれチックな居酒屋で流れているジャズが居心地良くて好きで「なんとなくジャズに興味があるけど初心者には取っ掛かりがなく小難しそうでよくわからないからそのままだ」というあなたに。マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンに象徴されるモダンジャズの愛好家で、「クラブ・ジャズは所詮流行りモノであって真のジャズの名に値しない」と軽く考えているあなたに。「菊地成孔を通して難解さがエロスを醸し出すジャズの世界に興味を持ったけれど、それ以上ジャズの世界が広がらない」というあなたにも。なお、このエントリーは、最高峰のジャズDJでありクリエーターでもある沖野修也さんの著書『クラブ・ジャズ入門』に多くを負っていることをあらかじめ書き添えておきます。これはジャズ好きならば一度は目を通すべき、素晴らしき一冊。
■クラブ・ジャズの意義とは
たしかにジャズは小難しそうだ。大抵の人は「なんか面倒くさそうだからパス」となってしまう。ジャズに関して迂闊なことをいえば【名盤やジャズの歴史についてのウンチクをよだれのように垂れ流す人】が激怒しながらすっ飛んでくる様がすぐに想像できる。だからみんなジャズを敬遠してしまう。だがこれはおかしな話だ。たとえばロックでは、ラジオから流れてきたある曲を気に入って、そのアーティストのファンになり、そのアーティストが影響を受けた過去のロックミュージックの歴史をたどり、最終的にいわゆる「歴史的名盤」と呼ばれるものを聴きはじめるという流れになるはずだ。ところがジャズの場合、多くの人は「過去の歴史的名盤を知らなければジャズを聴けない!」「ジャズに関する正しい歴史的知識がなければジャズを聴いてはいけない!」と思い込んでしまっている。つまり一般に人々が想像する「ジャズ」は、現在進行形の/「今の」ジャズではなく、もはや死んでしまった/過去の亡霊としてのジャズなのだ。
※2012年4月5日にリンク切れ動画をすべて更新しました!
「過去の亡霊としてのジャズ」は多くの人にとって難解な存在だ。もちろん、その小難しそうなところが―――抽象絵画や難解な現代アートに似た―――ある種のエロ格好良さを醸し出し、この難解=エロスな雰囲気に惹かれる人がいることは理解できる。たとえば菊地成孔を崇拝し、『東京大学のアルバート・アイラー』を読んでジャズの「正しい」理解を目指し、教養ある聴き手になろうとする……ジャズは歴史=教養を体現する芸術であるべきだという信念を持ち続ける……同時代を生きるジャズ・ミュージシャンの中に過去のモダンジャズ(ジャズ黄金期)の面影を見出して一喜一憂する……もちろんそれもジャズのひとつの楽しみ方だ。だが待って欲しい!ジャズにはもうひとつの楽しみ方が残されている。忘れるなかれ、ジャズは今を生きる音楽でもある。ひとたび耳にしただけで心に幸せが満ちあふれ思わず踊り出してしまうような―――ロック・ミュージックと同じ―――現代のヒップでポップな音楽でもあるはずなのだ。小難しい理論や知識とは無関係に、ただ耳にするだけで心に悦びを充満させてくれる、ロック・ミュージックと同じようにイマドキの感性やエネルギーを爆発させる存在としてのジャズは死んでしまったのか?――――ジャズはまだ死んでいない。イマドキの最先端で、あらゆる他ジャンルの要素をどん欲に取り込み、ジャズとは呼びがたいほどに自らの形態を変化させ続け、なによりもひとたび耳にするだけでステップを踏み出さざるをえないシアワセと快感を人々に与えているジャズも存在する。ジャズがまだ死んでいない現場……それこそがクラブ・ジャズと呼ばれるジャンルなのだ(だって菊地成孔が演奏するジャズが「最先端」だとしたらあまりに寂しいでしょ?)
■クラブ・ジャズ前史をごくシンプルに振り返ってみよう
クラブ・ジャズとはなによりもまず「踊り」のためのジャズだ。では、ジャズと「踊り」の関係は歴史的にどうなっていたのだろう?クラブ・ジャズを理解する上で重要な点に絞ってジャズの歴史をごくシンプルに振り返ってみよう。1900年代初頭、ニューオリンズを中心とした地域で起こった西洋音楽とアフリカのリズム感覚の融合がジャズの起源だといわれている。ごくシンプルにいえば、アフリカから運ばれてきた奴隷たちが西洋の楽器を使って集団で演奏を始めたことがジャズのはじまりとなった。時は移り、1920年代。その頃ジャズはスウィングと呼ばれ、芸術性とは無縁の商業的な音楽だった。飲食店などがジャズ・ミュージシャンを雇って人々を踊らせていた。ミュージシャンたちは収入を得るため、表現としてではなく聴衆のための演奏を行っていた。この頃の人々はジャズで陽気に踊っていたのだ。
Louis Armstrong-Paris Blues(大衆芸能としてのジャズ)
しかし、第2次世界大戦後、ビバップ(と呼ばれる潮流)の登場により、それまでのポップで親しみやすい大衆芸能としてのジャズが、高速で変化するコードとアドリブ(即興演奏)によって抽象性を増し、芸術性の高い音楽へと変質していった。このビバップにはじまり、クールジャズ、ウェスト・コースト、アフロ・キューバン、ハード・バップ、ファンキー、モード、フリージャズ…とモダン・ジャズの歴史は続いていく(もう少し詳しく知りたい人はミニマムに小川さんのサイトに書かれている簡潔なジャズ史を押さえれば十分だろう)。おおまかにいえば、かつての大衆芸能が芸術に昇華された→「踊り」ではなく「鑑賞する」という楽しみ方がメインになった→聴く者を選び特権的なリスナーを生み出した(聴衆に対してジャズが排他性を持つようになった)→ジャズは難解であるというイメージを持つ人が増えていった→ゆえにジャズは敷居が高い存在になり、メインストリームをロック・ミュージックが占めるようになった→ジャズが一般的な人気を失っていく流れの中で、抽象的な芸術としてのジャズの方向性を推し進めフリー・ジャズをやりはじめるミュージシャンもいれば、他方でロックやヒップホップの要素を取り入れジャズの親しみやすさを復活させようと試みるいわゆる「フュージョン」的な試みも増えていった、という流れだ。
Charlie Parker & Dizzy Gillespie(ビバップ。親しみにくい「モダン・ジャズ」のはじまり)
John Coltrane Quartet – My Favorite Things (芸術ではあるが、踊りとは無縁の存在になったモダン・ジャズ)
Miles Davis – Doo Bop Song(マイルス・デイビスは最晩年、ジャズの復活を賭けてヒップホップの要素を取り入れた)
■「踊れるジャズ」という価値基準
このようにモダン・ジャズが芸術(ハイソ)志向を強めるにつれ、当然のことながら、ジャズのリスナーも芸術志向を強めるようになった。ジャズは黙って正座して聴く音楽なんだ…ジャズを楽しむためには「正しい」知識を身につける必要があるんだ…と。このようなアーティストとリスナーの共犯関係の中で、「ジャズかくあるべし!」という強烈な規範=「正統的なジャズとはなにか」を定める権威的なピラミッドが出来上がってくる。いいかえれば、ジャズ批評が確立されてくる。評価されたアーティストは名声を欲しいままにするし、ダメ出しを食らったアーティストは二束三文でレコードを叩き売られる(誰も見向きしなくなる)。もちろん、評価されたジャズの筆頭は、Miles DavisやJohn Coltraneといった面々だ。他方、評価されなかったジャズの筆頭は、踊れる親しみやすいフュージョン・ジャズやファンクジャズだった(たとえばケータイ小説に対してみんなが抱いている拒否感を想像してもらえばわかりやすいと思う)。モダン・ジャズを通過した人々は、「ジャズで踊ろう!」などとは決して考えなくなっていたのだ。「踊れるジャズ」など穢らわしい…大衆の俗情に媚びた存在にすぎない…と思われていたのだ。
ところが1980年代初頭、(ジャズ発祥の地アメリカではなく、モッズ・ムーブメントがその礎を作った)イギリスのクラブ・シーンで、「レア・グルーブ・ムーブメント」という現象が起きる。「レア・グルーブ」という言葉は直訳すれば「珍しいレコード」ということになるだろう。中古屋で二束三文で売られていた(=正統的なジャズファンからは見向きもされなかった)ソウルやファンク、ジャズ・ファンクやフュージョンに新しい価値を見出し、ダンス・ミュージックとして再生する運動が起きたのだ。ジャズを評価する際に「踊れるかどうか」を唯一の価値基準とするDJは、あるアーティストの曲が売れたかどうか/正統的なジャズ批評の世界で評価されたかどうかには無関心だ。「踊れるかどうか」―――その基準を満たさなければ、いくら高い評価を得たアーティストの曲でも、ダンス・フロアでは機能しない失敗作でしかない。つまりこういうことだ。「踊れるかどうか」という価値基準を持ち込むことによって、DJたちは従来の「ジャズかくあるべし規範」を打ち破り、世の中の先入観や偏見を解体し、二束三文で叩き売られていたアーティストや曲を再生させるという価値観の逆転を実現させた。B級扱いされていたアーティストたちの曲の良さをあらためて発見したということだ。このムーブメントが旋風を引き起こした後、クラブ・ジャズは従来の「ジャズかくあるべし規範」に縛られない過激な―――そしてなによりも「今」の最先端を体現する生きた音楽として―――ジャズの新しいカタチを模索していくことになる。
“In The Rain” – The Wooden Glass feat. Billy Wooten(Billy Woootenはジャズファンクの人。このような超名演が「レアグルーブ」としてざくざく発掘されていった。1972年の録音)
Pヴァインレコード (2004-05-21)
売り上げランキング: 46300

官能的なジャズファンクアルバム
祝「In This World」リイシュー!
王道的と言えばそれまでですが、
稀代の傑作
「泣き」のヴァイブに泣く
#泣く子も黙るジャズファンク(Jazz Funk)の超絶名盤。何度聴いたかわからない。発掘されて本当に良かった!
Rare Grooveとは典型的にこういう曲を指す。発売当時には見向きもされなかったジャズファンクを、後の世代のDJが「踊れるジャズ=使えるジャズ」・「Rare Groove=珍しいレコード」として再発見した
Weldon Irvine – Turkish Bath(他の追随を許さない抜群の格好良さ、Weldon Arvine。大好き)
Sony / BMG Import (2006-07-28)
売り上げランキング: 58100
#フェンダーローズが唸る一枚
Jazzman (2002-07-01)
売り上げランキング: 132619

買いかもしれませんが、個人的にちょっと。
酒&BLACK&BLUE
オススメです!
#JazzmanのRareGrooveはすごく良い
■クラブジャズの定義
レア・グルーブ・ムーブメント以前にDJがジャズをかける場合には、(正統的な)モダン・ジャズの中から実は踊れる曲を発見することに価値が置かれていた。ところがレア・グルーブ・ムーブメント以後のジャズDJは、「(従来のジャズ批評で言われていたジャズの定義をすべて疑ってフラットに考えたときに)ジャズという要素はいったい何なのか」を問うことを通じて、ジャズ解釈の拡張をはかっていくことになる。たとえ他のジャンルの曲であっても、そこにジャズの要素を嗅ぎ取ることができればそれはクラブ・ジャズの曲になるのだ。
クラブ・ジャズとは何か。沖野修也さんの定義にしたがっていえば、
1.レア・グルーブ・ムーブメント以前に発表されていたジャズの中から踊れるジャズを発見すること(踊れるジャズの旧譜)
2.レア・グルーブ・ムーブメント以前に発表されていた、ジャズの影響を受けた(他ジャンルの)ダンス・ミュージック(クロスオーバーの旧譜)
3.レア・グルーブ・ムーブメント以後に発表された(クラブ・ジャズあらかじめを意識した)踊れるジャズ(踊れるジャズの新譜)
4.レア・グルーブ・ムーブメント以後に発表された、ジャズの影響を受けた(他ジャンルの)ダンス・ミュージック(クロスオーバーの新譜)
これらすべてが「クラブ・ジャズ」を構成する要素になる。今回の記事は、3と4、つまりレア・グルーブ・ムーブメント以後の動きを中心に扱う。
「レア・グルーブ・ムーブメント」の中心人物は3人いた。ポール・マーフィー、ジャイルス・ピーターソン、そしてパトリック・フォージ。ジャズで踊れるんだ!ということをポール・マーフィーが世間に広め、ジャイルス・ピーターソンはジャズ・ファンクをリバイバルさせた。そしてジャイルスとパトリック・フォージがカムデンのディングウォールズで始めたパーティ「Talkin’ Loud Saying Something」は、アシッド・ジャズ(Acid Jazz)という新たなジャズの発信源となっていった。
今でもクラブジャズ界の最重要DJであり続けるGilles Petersonはこんな人なんですよ。物腰がすごく柔らかい。優しそうな人ほど怖ろしい。
■そもそも「ジャズ」ってなに?
マイルス・デイビスというモダン・ジャズを代表する偉大なミュージシャンは、つねにジャズという音楽ジャンルを変革し続けた。ロックの要素を取り込み、ヒップホップの要素すら取り込み…といった具合に(先ほどの動画参照)。つねに新しい世界を切り拓いたことがマイルス・デイビスの最大の魅力であり――そして彼のもっとも「ジャズらしい」部分であった。そう、ジャズとは何よりも反復/再現を嫌う音楽だ。不可逆性、つまり同じ内容を繰り返さないことがジャズの最大の特徴だ。楽譜を譜面通りに再現するクラシックとは大きく異なり、ジャズは即興演奏のスタイルを取り、演奏の大部分はアドリブで構成される。たとえば下の動画はモダン・ジャズの大家であるビル・エバンスが「いつの日にか王子様が(Someday My Prince will Come)」というディズニーの名曲を演奏したものだけれども、原曲が自由自在にアドリブで解体されていることがわかると思う。
クラシックは作曲家のための音楽であるのに対し、ジャズは演奏家のための音楽であるといってよいだろう。ジャズでは(反復可能な)曲自体の重要性はそれほど高くない。むしろ(1回きりの)演奏が意味をもつ。同じ内容を繰り返しているだけならば…現状を破壊し新しいカタチを創造しようという気概が見られないならば…それはもはやジャズと呼べないのだ。そしてその繰り返しを嫌う態度は、ジャンルそれ自体にも当てはまる。たとえ2008年の新譜であろうとも、過去の偉大なモダンジャズに憧れ、モダンジャズの要素を正統的に受け継ぐだけの冒険なきジャズはジャズらしくないと自分は感じる。演奏家が原曲の雰囲気を残しつつ自在な演奏によって独自な世界観や解釈を表現するように、ジャズというジャンルそれ自体も、モダン・ジャズの雰囲気を残しつつ自在な他ジャンルとのコラボレーションによって独自な世界観を模索するべきだ(それこそがジャズらしい)。その意味で、レア・グルーブ・ムーブメントに端を発し、従来の正統的なジャズ観に囚われないジャズ解釈を披露してきたクラブ・ジャズの流れは、真に「ジャズ」と呼ぶに足るのではないだろうか。もちろん、マイルスがヒップホップを取り入れたことをいま熱く語るのも良いだろう。しかし、まさに今現在、クラブ・ジャズの世界では、時代の感性と真正面から向き合った新しいジャズ解釈が披露されつつあるのだ。
Bill Evans Trio – Someday My Prince will Come(反復不可能性がジャズの特質)
Rhino/Warner Bros. (2003-10-27)
売り上げランキング: 3151

異色
BILL EVANSの最高傑作というよりJAZZ PIANO TRIO史上に残る世界遺産
センチメンタルならばいいのか?
Bill Evans後期の最高傑作
美しき感傷
■世界的なブームを巻き起こしたアシッド・ジャズ
話を戻そう。さきほど書いたように、ジャイルス・ピーターソンとパトリック・フォージのパーティー「Talkin’ Loud Saying Something」はアシッド・ジャズの発信源となっていく。アシッド・ジャズとは、一般的にはファンキーな古いジャズと、ソウル・ジャズやジャズ・ファンクをバンドで、あるいは打ち込みでリメイクしたダンス・ミュージックの総称。メロディアスでクール、しかもダンサブル。ジャイルスはアシッド・ジャズ・レーベルなるものを設立したのだけれども、あのジャミロクワイも、デビューはこのアシッド・ジャズ・レーベルからだったそうだ。DJたちによるジャズ解釈の拡張は、一部のジャズ・ミュージシャンたちを巻き込んで、世界的に大きなうねりとなっていった。
JAMES TAYLOR QUARTET- Theme from Dirty Harry & Austin’s Theme(初期のアシッド・ジャズ)
United Future Organization – United Future Airlines(国産アシッド・ジャズを代表するUnited Future Organization)
mondo grosso – I can’t go for that(同じく国産アシッド・ジャズといえばモンド・グロッソ)
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ (2000-07-26)
売り上げランキング: 16715

そこらの洋楽に決して負けない質の高い音楽
いつ聴いても輝きを失わない名盤
ラテンへの誘い。
Goodsounds
大沢ミュージックの金字塔
#まだ色褪せていない名盤
Monday Michiru (満ちる) – You Make Me (秋吉敏子の娘・Monday満ちるは、Acid Jazz界の最重要Divaの一人)
ユニバーサル シグマ (2005-09-21)
売り上げランキング: 44371

思わず踊りたくなる♪
心地よい〜☆
満ちる姉さんの総集編
Jamiroquai – Runaway(ジャミロクワイやインコグニートらの大成功でアシッド・ジャズは世界的な認知を獲得した)
■アシッド・ジャズの衰退、フューチャー・ジャズの誕生
爆発的に流行したアシッド・ジャズは、メインストリームに躍り出たので、ジャズらしさ(同じことの繰り返しを嫌い新たな世界観を切り拓くエネルギー)を失ってしまった。次なるクラブ・ジャズの波はドイツからやってきた。アシッド・ジャズのアーティストを積極的に起用していたミュンヘンのDJマイケル・レインボースが、コンポスト・レーベル(Compost Label)を設立。彼が手がけたコンピレーション『Future Sound of Jazz』が大きな話題となる。『Future Sound of Jazz』はテクノやトリップ・ホップといったエレクトリックな音楽の中からジャズに通ずる感覚を紡ぎ出して見せた。
GENTAL PEOPLE, ” Journey ” ( THE FUTURE SOUND OF JAZZ 2 )
イギリス発のアシッド・ジャズは(ジャズ・ファンクの発掘からスタートしたレア・グルーブ・ムーブメントの影響を受けた)ソウルフルなものだったが、このドイツにおけるフューチャー・ジャズと呼ばれる硬質なジャズの誕生によって、ジャズとテクノの親和性が一気に高まることになる。レコード・コレクター兼DJとしてRainer Truby(ライナー・トゥルービー)とJazzanova(ジャザノヴァ)の2人が頭角をあらわしはじめた。JazzanovaはCompost Labelと提携し、JCR(ジャザノヴァ・コンポスト・レコード)を設立。ドイツ発の彼ら2人は、いまだにDJとしてもクラブ・ジャズ・アーティストとしても超一流である点に驚かされる。(この2人の名前は絶対にチェック)
Jazzanova – Fedime’s Flight (Kyoto Jazz Massive Remix) (テクノと民族音楽とジャズの出会い)
P-VINE (2012-05-02)
売り上げランキング: 42212
フューチャー・ジャズの誕生は、それまでのジャズDJがほかの音楽ジャンルにジャズの影響を見出していたことと逆の現象を引き起こすことになる。つまり、ハウスやテクノのDJがフューチャー・ジャズの中にハウスやテクノの要素を発見しはじめたのだ。こうして、ハウス・テクノ・クラブジャズのボーダーレス化が一気に加速することになった。
■フューチャー・ジャズという言葉に収まりきらない細分化
ボーダーレス化が進むにつれ、「フューチャー」という形容詞では音楽の現状を正確にあらわすことができなくなり、フューチャー・ジャズという呼称はしだいに使われなくなっていった。フューチャー・ジャズの代表的レーベルであったCompost Labelが2003年にJazzanovaとの契約を解消。クープ(Koop)というヨーロピアン・ニュージャズの先駆けといえるアーティストをデビューさせ、JCRも活動を停止してしまう。ジャザノヴァはSonar Kollektiv(ソナー・コレクティヴ)というレーベルへの回帰を決定。Sonar Kollektivはフォークからテクノまで守備範囲を広げ、コンポストはロックやエレクトロニカまでをカバーするようになる。その結果、ドイツの音楽シーンは、ジャズというワンワードでは括ることが出来ない状況へと変化した。
Sonar Kollektivはこのようなゴリゴリのテクノにはじまり、
オーガニックなハウスはもちろん、
ヨーロピアン・ニュージャズまでを幅広く扱うレーベルとなっている。
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ (2001-04-25)
売り上げランキング: 371268
Christian Prommers Drumlesson – Rej by ÂME(中の人はRainer Trubyですよ。レーベルはSonar Kollektiv)
ビクターエンタテインメント (2008-03-26)
売り上げランキング: 1367

ジャズで聴くダンス・クラシックス
#Christian Prommer’s Drumlessonはかなりオススメ。今年は相当リピートして聴いた
■フューチャー・ジャズ期のイギリスでは…
他方、フューチャー・ジャズ期のイギリスでは、ジャイルス・ピーターソンとともにレア・グルーブ・ムーブメントを担ったパトリック・フォージが、ブラジリアン・ムーブメントの中心となるダ・ラータ(Da Lata)を結成。クラブ・ジャズ・シーンにブラジル音楽の要素が一気に普及することになる。
他方、ジャイルス・ピーターソンは、アシッド・ジャズの衰退という現実を踏まえ、ハウスのフォーマットにブレイク・ビーツやラテン・パーカッションを導入し新時代を切り開いた(つまりハウスの側からクラブ・ジャズに接近していった)マスターズ・アットワークの別名義プロジェクトであるNuyorican Soulをイギリスでフィーチャーしたり、ロニ・サイズ(Roni Size)や4ヒーロー(4hero)というドラムンベース系アーティストとの契約で活路を見出すことになる。
Nu Yorican Soul – Nervous Track
Talkin’ Loud (1997-03-11)
売り上げランキング: 37314

ラテンジャス好き必聴!
歴史に残る1枚。
Roni Size/Reprazent – Brown Paper Bag
Universal (1997-10-28)
売り上げランキング: 13256

ドラムン初心者にもお勧め
ドラム’ン’ベースのもう一人の雄
お薦めです。
永遠に輝くNEW FORMS
渋いっ!
Raw Canvas/Milan (2007-02-27)
売り上げランキング: 26140

change!?
帰ってきた4HERO(07年ベスト3)
部屋でのリスニングにも耐えうるポップアルバム
4heroの創り上げてきたサウンドの集大成的な作品
まさに、変化!
■ヨーロピアン・ニュー・ジャズの隆盛
フューチャー・ジャズの代表的レーベル、Compostからリリースされたクープ(Koop)の『Waltz For Koop』の大ヒットにより、ここ数年は生音重視で50年代~60年代にかけてのジャズの影響をアーティストたちの活動に注目が集まっている。つまり、生音回帰現象が明確にあらわれている。長い間DJとしてその名を知られていたイタリアのニコラ・コンテ(Nicola Conte)は、ついにジャズの名門レーベル、ブルー・ノート(Blue Note)からのリリースも果たすことになる。フィンランド出身のザ・ファイブ・コーナーズ・クインテット(The Five Corner’s Quintet)も忘れてはならないだろう。ちなみに沖野さんの本には、「彼らは、まさに新世代のヨーロピアン・ジャズを体現するグループであり…古き良き時代のジャズへの憧憬を実直なまでにそのスタイルに反映させながら、ヨーロピアン・ジャズ特有の透明感や叙情性を表現。加えて、音圧やパターン、音量にこだわるドラム・サウンドで、クラブ世代特有の感覚を具現化した」と書かれている(p.104)。
KOOP – Waltz for Koop (ヨーロピアン・ニュージャズの先駆け、Waltz for Koop。ヨーロピアン・ニュージャズについては後述予定)
Palm Pictures (Audio (2002-07-09)
売り上げランキング: 52806

Koopとその未来について
2000年台のクラブジャズの方向性を決定付けた音楽
唯一無二のクラブジャズ
いやほんとすごい
癒されます。。。
Schema (2000-10-09)
売り上げランキング: 158151
The Five Corners Quintet – Shake It
コロムビアミュージックエンタテインメント (2005-08-24)
売り上げランキング: 21650

うーん、退屈
FCQとその評価について
クラブジャズのきっかけ
聴き込むほどにはまります
夏の愛聴盤
このように、ヨーロピアン・ニュージャズの成功によって、(正統的な)モダン・ジャズがクラブ・シーンでリバイバルされつつあるといえる。クラブ・ジャズはふたたびモダン・ジャズに出会いつつあるのだ!
■国産生音クラブジャズバンドは世界トップクラスの評価を受けている
かつてMond Grossoに加わっていた吉澤はじめも所属するSleep Walkerは、日本最高峰のクラブ・ジャズ・バンドといえるだろう。あのファラオ・サンダースとの共演も果たしたほどの実力の持ち主で、70年代のスピリチャル・ジャズに「踊れる」要素をあまりに鮮やかに組み込んでいる。彼らの生演奏をぜひクラブで聴いてみてください。本当に打ち拉がれますよ(自分は泣いてしまった)。ジャズライブハウスで大御所が演奏するモダンジャズのライブアクトを聴くことでは絶対に得られない、「今」と目一杯戦っているジャズのジャズらしさ、ジャズの神髄を、そこでは味わうことができる(緊張感が漲ったジャズを味わいたいならば、青山ブルーノートにて大御所の演奏を聴くなんてのは愚の骨頂。張り裂けそうなジャズは、実はクラブに転がっている)。ちなみに、ファラオ・サンダースはモダンジャズの大家ジョン・コルトレーンの弟子で、踊れる要素とジャズの難解かつ精神的な要素を見事に昇華させた奇跡のような人。ファラオは、クラブ世代とモダンジャズ世代をつなぐキーパーソンなのかもしれない。自分はファラオのような(Sleep Walkerのルーツでもある)70年代のスピリチュアル・ジャズがジャズの中でもっとも好きですね(Spiritual Jazzはたとえばこんな音です→Spiritual Jazzの自作mix1、自作のmix2)。自分のように、コテコテのモダンジャズも好きな人は、きっとファラオを気に入ると思う。
Pharoah Sanders / You’ve Got To Have Freedom(ファラオの名曲)
BUILD AN ARK / YOUVE GOTTA HAVE FREEDOM(現代のクラブ・ジャズ・アーティストが上のファラオの名曲を解釈するとこうなる)
JVC Japan (1993-05-04)
売り上げランキング: 40319

とっつきにくいジャケットだが
完膚なきまでにノックアウトされました
広々とした空間
文句なしの名盤
#モダンジャズとしてもクラブジャズとしても大名盤なファラオの1枚。
Pヴァインレコード (2004-06-04)
売り上げランキング: 97798

重鎮、要人も含めての1st
ほんといいです。
アーティストはこうあるべき
最高
sleep walker / kyoto jazz massive (Sleep Walkerはクラブジャズ生音バンドで一番好き)
ヴィレッジアゲイン (2006-07-19)
売り上げランキング: 7327

クールなクラブ・ジャズ
本物だ…
熱すぎる!!!カッコイイ
クラブジャズの”職人”達による叫びを聞け
SLEEP WALKERの素晴らしさって
そして、ハード・バップとパンクを組み合わせて昇華させる圧倒的な迫力を持ったクラブ・ジャズ・バンド、SOIL&”PIMP”SESSIONSももちろん忘れてはならないだろう。もう彼らはヤクザそのものですね。素晴らしい。
Soil & “Pimp” Sessions – A.I.E. (live at Later…)
ビクターエンタテインメント (2008-05-21)
売り上げランキング: 4077

最高にクールで最高にクレイジー!!
感動した
洗練中
本当に素晴らしい
The Man from Nagpur / quasimode(ヨーロピアン・ニュージャズ的な雰囲気を持ち合わせるQuasimodeも世界的に高く評価されている)
GENEON ENTERTAINMENT,INC(PLC)(M) (2008-03-05)
売り上げランキング: 41171

こんなライブをナマで見たい
Liveバージョン最高!!
Jazztronik – Voyage(野崎良太のプロジェクトJazztronik(ジャズトロニック)は、J-POP的な要素をもうまく取り込むことに成功している)
ポニーキャニオン (2010-07-14)
売り上げランキング: 21852
INO hidefumi / Spartacus(フェンダーローズというオルガンピアノを愛用するINO hidefumiのように、特定の楽器をフィーチャーして藤原ヒロシ的な心地良いラウンジ系の音楽に特化するクラブジャズの流れもある)
インディーズ・メーカー (2006-06-09)
売り上げランキング: 3010

おしゃれなオト
肩の力を抜いて酔う
うんうん、よかよか:フュージョン編
確信犯的な禁じ手サウンド。量販店BGMにならないクルーな音楽性
Cool &Romantic
■テクノとクラブ・ジャズの関係
さて、このように【生音志向】が現在のクラブ・ジャズ・シーンの大きな特徴ではあるけれども、対極にあるテクノ・ミュージック志向の【エレクトリック化】という現象も同時に起きていることも付け加えておきたい。つまり、クラブ・ジャズは両極化しているという見方が正しい。このエレクトリック化の流れは、アームやヘンリック・シュワルツといったドイツ勢のミニマリズムがクラブ・ジャズに新たな価値観を持ち込むことによって引き起こされている。(ちなみに沖野本によれば「その二極化を1つのレーベルで実現させているスウェーデンのロウ・フュージョンというレーベルは、非常に勢いのある存在」だとか)
Henrik Schwarz – jon (i’m fading away mix)
live in Miami WMC 07 at Raw Fusion Party
■おわりに
最後に。何よりもまず沖野修也さんへのリスペクトを全力で記しておきたい。『DJ選曲術』と同じく、この『クラブ・ジャズ入門』という本は感嘆の連続だった。その興奮がこの記事を書く最大の動機となった。みんながなんとなく使っていた「クラブ・ジャズ」という言葉―――クラブでかかるジャズだからクラブ・ジャズなんじゃん?―――その程度のことしか考えていなかった概念に、明快なフレームワークを言語化して授けてくださった批評眼は素晴らしいと思う。アーティストが作家ならば、DJはなによりもまず批評家にちがいない。この記事は同書がもつ情報量の1/10も伝えられていない。ジャジーなヒップホップが大流行している昨今だけれども、そもそもこの記事ではジャズとヒップホップの関係に一切触れていない。モダン・ジャズの中にあるクラブ・ジャズ的な要素とはなにか?クラブ・ジャズのこれからの可能性は?答えは、沖野さんの本の中にある。
「踊れるかどうか」―――それがクラブ・ジャズを駆動させる唯一の判断基準だと書いた。モダン・ジャズ愛好家はモダンジャズを愛し、クラブ・ジャズ愛好家はクラブでジャズを愛する。たとえ対話できないとしても、多様なジャズの楽しみ方があっていい。自分はそう思っていた。……だが本当にそうだろうか?と沖野さんは問いかける。従来のジャズリスナーとクラブジャズのオーディエンスを橋渡しすればジャズの可能性がさらに拡がるのではないか、と。このお節介ともいえる問題意識が本書を貫く大黒柱になっている。そこに、自分は決してかなわない、沖野さんのジャズへの深い「愛」を見た。恥じらいもなく最後にこう書いてのけるところが彼の格好良さだ。沖野さん、最後はあなたの曲で、Thank You!
僕は、ジャズのリスナーがダンス・フロアに足を運ぶことを、そして、クラブ・ジャズのリスナーが踊れないジャズに夢中になることを待ち望んでいます。僕は、ジャズを愛しています。(p.199)
Shuya Okino- Thank you (Danny Krivit Edit)
さきほどの動画と同じ曲のライブ映像。ちょうどこの日、この演奏を、この場所で聴いていたなぁ、色々と悩んでいたなぁ。遠い目。
沖野修也 / THANK YOU feat.Navasha Daya
UNITED LEGENDS SPECIAL LIVE SET
(Live from TOKYO CROSSOVER/JAZZ FESTIVAL 2007 at ageHa)
リットーミュージック
売り上げランキング: 72939
must read
Defected (2008-01-29)
売り上げランキング: 58124
#現在のJazz/Houseの魅力がぎっしり詰まったGilles Petersonのハウスアルバム。ジャイルスはJ-WAVEで番組を持っていたりもうすっかりおなじみですよね。凄まじいセンス。もちろんShuya Okinoの”Thank You”も入ってます。
リットーミュージック
売り上げランキング: 95927

現代のジャズリスナーのためのジャズ入門
乞う!第2弾(^^;
待ってました
#このディスクガイドは素晴らしい!クラブジャズ世代の感覚をベースにもちつつも、クラブジャズのみならずモダンジャズの名盤も幅広くセンス良く扱っている。ジャズの名盤ガイドでオススメある?と訊かれれば、まず間違いなくこのディスクガイドを推薦する。過去だけではなく過去と現在両方に顔を向けた理想的なジャズ指南書。小川充さん、お見事!
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10月 5th, 2008 at 16:08:24
Smooth Jazz にも触れてほしかった。
10月 7th, 2008 at 16:26:58
突然失礼します。
通りすがりです。
検索で引っかかって、たまに興味深く読んでます。
クラブジャズなら、アギユズルさんをチェックしてみてください。
恐らく日本で#1のストック+知識量です。
アギさんの著作や雑誌はユーズドでしか入手できませんが、色々読まれたら面白いとおもいますよ。
http://www.nu-things.com/blog2/
10月 8th, 2008 at 2:15:57
#hkさん
Smooth JazzについてはWikipedia(http://tinyurl.com/yps7yg)に書かれている内容程度の理解しか持ち合わせていませんが,「踊れるかどうか=クラブでかけることができるかどうか」という基準を(従うにせよ反発するにせよ)歴史的に考慮しつつ発展してきたジャンルではありませんので,クラブジャズ史に含めるのは適切でないと考えています.
#goldenpneumaさん
アギュズルさんについては未チェックでした.相当にディープなセンスを持っていらっしゃる方みたいですね.いろいろと探ってみます.貴重な情報をどうもありがとうございました!
10月 18th, 2008 at 3:06:24
かなり良い記事ですね。
体系的に知れて面白かったです。
国産クラブジャズなら、「indigo jam unit」も要チェキしてみてください。
「マイルスはライヴ盤が好き」って人ならきっとはまるはずです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2323863
10月 18th, 2008 at 9:43:59
#いにょさん
ありがとうございます。
Indigo Jam Unitは自分も大好きですよ!独特な高揚感がたまらないです。
いつか一緒に音楽を聴きに行きましょうね。
1月 9th, 2009 at 11:08:33
ブロークンやバイレファンキ、ダブステップなど現在の流れも書いてくださいよ。
ちなみにオキノ時代はもうおわりだよ。
1月 11th, 2009 at 22:13:59
なかなか読み応えも聴き応えもある記事を、ありがとうございます。
こういった音楽に興味を持ったきっかけなどがあったらぜひ教えてください。
ちなみに、私はまさにここで紹介されているモンドグロッソの映像を、テレビの深夜放送で見たのです。1995年でしたね。いい時代でした。
それから、うえの方のオキノの時代はもう終わった、というのは全力で賛成できませんね。
1月 11th, 2009 at 22:17:07
読み応えある記事を、ありがとうございます。
こういった音楽に興味を持ったきっかけなどがあったらぜひ教えてください。
ちなみに、私はまさにここで紹介されているモンドグロッソの映像を、テレビの深夜放送で見たのです。1995年でした。
それから、うえの方のオキノの時代はもう終わった、というのは賛成できませんね。
1月 12th, 2009 at 9:16:08
クラブ・ジャズの歴史がひとめでわかる、素晴らしい記事ですね!
以前(2004年)、『Fusionism―That’s Future Jazz!―THE SHAPE OF MUSIC TO COME』というクラブ・ジャズ本を作りました。手前味噌ですが、おすすめです。
1月 12th, 2009 at 10:04:17
すばらしい記事を書いてくれてありがとう
1月 12th, 2009 at 22:00:08
興味深いエントリで読み漁っていただきました。
生音重視のSleepWalkerは自分も本当に大好きです。
日本人として、日本語歌詞で躍らせるJazztronikも非常に良いですよね。
1月 12th, 2009 at 22:00:23
興味深いエントリで読み漁らせていただきました。
生音重視のSleepWalkerは自分も本当に大好きです。
日本人として、日本語歌詞で躍らせるJazztronikも非常に良いですよね。
1月 13th, 2009 at 0:02:23
[…] an item on Generic.YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編) – plaisir.genxx.com Tags&Categories どんなもん台 ノートPC 冷却 はてなブックマーク […]
1月 13th, 2009 at 1:08:18
[…] YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編) – plaisir.genxx.com YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編) – plaisir.genxx.com クラブ・ジャズ入門。ネット上にクラブジャズを解説したまともな日本語コン テンツが存在しないようなので、今回は「クラブジャズとは何か」を明快に・簡 単に・誰でも把握できるよう説明してみます。Yo… original article […]
1月 13th, 2009 at 2:51:26
こんにちわ
ここで紹介された現存のバンドはすべてライブへ行ってます
須永さんや小林径さんからのアプローチもすると、もっとも生音回帰で面白いですよ!
個人的にUFOはloud~を紹介していただきたかった。
ただ残念なことに不景気のせいか、ハウスブーム影響で渋いジャズイベント
は年々減りつつあります。日本でもクオシやインディゴ、ジャバループなど海外でも通用する若手がたくっさんいるのに残念なことです。
今週は念願のファイブコーナーなので楽しみたいと思います。
通りすがり興奮して書き込みしてしまいまいした。
1月 13th, 2009 at 10:31:44
通りすがりです。
要するにジャンルが物売りのツールになっており、作り手は全ての音楽を、時系列を問わず要素として扱える時代になったのかなと。
作り手としては良い時代です。
1月 14th, 2009 at 2:05:11
[…] YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編)ー plaisir.genxx.com […]
1月 14th, 2009 at 2:48:13
通りすがりです。
ここ最近だとfreestyleレーベルも良質なClub Jazzをリリースしていて
目が離せないっすよ。
1月 14th, 2009 at 4:25:25
コメントをくださった方々,どうもありがとうございます.
「入門」と銘打っている記事だからこそ,あれを入れるべきこれを入れるべきというジャズ愛ゆえのこだわりはみなさん様々にお持ちでしょうが,あくまでこれは筆者にとってのクラブジャズ入門,”one of”クラブジャズ入門ということでお願いします.この記事に違和感をもたれた方には,ぜひともクラブジャズ入門の記事を書いていただいて,一緒にクラブジャズシーンを盛り上げていくことができれば冥利に尽きます.(モダンジャズについての入門記事はネット上に氾濫していて各記事にはそれぞれの書き手の個性が滲み出ている.ところがクラブジャズ入門記事はほとんど書かれていない.クラブジャズにはじめて興味を持った人にとってはあまりに寂しい状況だな,と)
#さすがに須永さん的なラインに一切触れなかったのはやりすぎかもしれませんが…
クラブジャズというニッチな音楽ジャンルを扱った記事にはてなブックマークが1000以上集まって率直に驚いています.いつもこの人たちはどこに隠れていたのだろう,と.感動に近い驚きです.「クラブジャズになんとなく興味がある」という人たちがこれほどいるのだから,「このアーティストを押さえておかなきゃ素人」という排他的なカタチではなく,「これかっけーよ!もしよければ聴いてみて」という提案的なカタチにて,ある程度敷居の低いわかりやすいクラブジャズ関連記事がこれからどんどん増えてゆけば良いのにな,と願います.
1月 14th, 2009 at 4:30:57
#12さん
・ブロークンやバイレファンキ、ダブステップなど現在の流れ
・「オキノ時代はもうおわり」だと感じる理由
ここらへんをぜひとも記事で読ませていただければな,と思います.
#Initial Kさん
>こういった音楽に興味を持ったきっかけ
小さい頃から家でよくジャズがかかっていて王道ジャズが好きだったのですが,高校生の頃からHouse経由でDJ/クラブカルチャーに興味を持ちはじめ当然のごとくクラブジャズも聴くようになった,という感じです.モンドグロッソの映像はCDTVなんかでも流れてましたよね.今思えば不思議なほど普通な人も「アシッドジャズ」的なものを聴いていた気がします.
#stonedloveさん
『Fusionism―That’s Future Jazz!』,これですね!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4835572165
じっくり読ませていただきます.remix誌の連載を通じてはもしかしたら文章を何度か読ませていただいているのかも知れませんが.クラブジャズがホットトピックになる状況は本当に心地良いですよね.
#lncr_ct9aさん
Jazztronikはやはり唯一無地のポジションを作っていますよね.
1月 14th, 2009 at 4:36:13
#キリカさん
須永さんと小林径さんにもたしかに触れるべきでしたね.
>ハウスブーム影響で渋いジャズイベントは年々減りつつある
TCJFのようなかなりジャズ寄りのイベントでフロアを見ていても,House→大勢が自然とノッてきて踊る/渋いジャズ→フロアの足が止まる,という傾向は顕著ですもんね.「渋いジャズイベント」は,むしろ(モダンジャズの側からのアプローチとしての)生演奏ジャズと融合する形になっていくのかもしれませんね.Sleep Walkerの音源で踊りたいというよりもやはり彼らの「生演奏」で踊りたい!という欲望をわたしたちはつい持ってしまうわけで.
#牛心さん
作り手のみならず聴き手にとっも非常にありがたい時代です.「正しいジャズとは何か」のジャンルに関する正統的理論に忠実な音楽を聴くよりも,いまだ聴いたことのないクロスオーバーで斬新な音に包まれていたいという欲望を強く持っています.
#Freestyle Records UK
Freestyleはいくつかチェックしているんですがもっとじっくり探ってみようという気になりました!感謝です.
1月 14th, 2009 at 11:10:48
ビバップから70年代にいたる過程が間違ってますね。ジャズ喫茶史観を用いた書籍類(SJ誌とか)ではそのように解説される事が多いのですけど、そういう流れでビバップが発生したわけではありませんし、高度な芸術性が理由でジャズが衰退したわけでもありませんし、ビバップ以降のジャズで踊れなくなったということもありません。
そもそもビバップはダンスホールで「ジャズの演奏で客を躍らせる」ために出来上がった演奏方法です。
1月 14th, 2009 at 13:19:03
> bluetone
否定するならそれなりのソースを出すのが礼儀ってもんでしょ。
1月 14th, 2009 at 14:35:38
Jazz & Jive & Swing
http://swinglike.ojaru.jp/
JAZZ音源(MP3)を10000曲以上を無料・合法にてダウンロードできます。
うんちくもいいけど、沢山聴いて、できるならば演奏して、楽しみたいものです。
罵りあったり、価値観を押しつけあったり、不毛極まりありません。
1月 14th, 2009 at 15:03:07
ここもおすすめですよ!
http://www.newmixes.com/category/jazz
ジャイルズとかジャザノヴァとか。
1月 14th, 2009 at 17:51:11
マチスの絵に確かJazzというのがあってそれに似てるなって思いました。
7月 19th, 2010 at 8:51:19
コレだけまとまった記事は初めてです。
勉強になりました。
3月 31st, 2011 at 23:16:27
昔からJAZZに興味があったんですけど、
本日記事を読ませていただいてより深い理解ができました!
もっともっとJAZZが大好きになりました。
Thank you!!
9月 15th, 2011 at 2:02:19
[…] MUSICA HOLE VOL.1 投稿日 : 2011年9月15日 | カテゴリー : Music | 投稿者 : tantakatan | コメントはまだありません 私見で良いと思った音楽(CD、アナログ及び、データ配信されてるものなど)をMUSICA HOLEと名付けて書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。 今回は第一弾ということで、今年出たJames Blakeが良かったので書こうと思ったのですが、ミュージックマガジンやケトル等で多数取り上げられてたり、今更感があったのでちょっと戻って4年前、2007年に発売されたアルバムについて書こうと思います。 Hakan Lidbo+Alex Van Heerden/SIMPLE(2007) 数々な名義で200タイトル以上のテクノ、ハウス、エレクトロ等の作品をリリースするスウェーデンのエレクトロニックミュージシャンHakan Lidboと、南アフリカのエレクトロニックな手法を操る孤高のジャズトランぺッターAlex Van Heerden(残念だが2009年に若くして亡くなっている)によるコラヴォレート作『SIMPLE』。 ジャズとエレクトロニックなアプローチといえば、テクノやハウスのDJ、またはエレクトロニカのミュージシャンがジャズを取り上げることもしばしば。クラブジャズなんていうものも確立しているくらい。 即興演奏といえば真っ先にジャズが頭に浮かぶ人も多いと思うし、クラブのダンスビートは容易に想像できる。 ジャズは今までロックやエレクトロニックな要素とも融合(フュージョン)を試みてきたし、より反規律的に、否定的に先鋭化(フリージャズ)させてもきた。 昨今のクラブジャズに至っては、ダンスビートに手法としてのジャズをネタ(サンプリング等)にして上乗せしているように感じるのは否めない。 それら既視感さえするものと違い、このアルバムが面白いのはジャズとエレクトロニクスの融合でも、ジャズの上乗せでもないところにある。 ジャズ(Alex Van Heerdenのトランペットとヴォーカル)はエレクトロニクス(Hakan Lidboのポストプロダクション)により徹底的に解体され、変調され、加工される。しかしそれは即興演奏を機械的に並べ反復されていく(固定、均質化する)という意味ではない。むしろ不確定性は拡大し、演奏とエレクトロニクスの概念も不透明にしていくのだ。 2人が選んだアプローチはジャズとエレクトロニクスの繊細で絶妙なバランスの”同居”であった。アルバム名と同名の曲「Simple」でAlex Van Heerdenが別々の3カ国の言葉を使って歌われているのが象徴的だ。 ジャズの即興に対する懐疑 エレクトロニクスの即物性、マンネリ 上記の2つはよく指摘されている事だが、この作品では分離された演奏とエレクトロニクスの繊細な同居によってジャズの即興性、エレクトロニクスの即物性に対しても一種の返答がなされている。 その答えには解体されたジャズでもエレクトロニクスでもないただひたすら美しい音楽への消化しか存在しない。 ———————————————————————————————————————————————– 盤では見かけないので店舗ではないかも知れませんが、iTuneではありました↓ ↓ ↓ Hakan Lidbo+Alex Van Heerden/SIMPLE タグ: alex van heerden, Electronica, Hakan Lidbo, Jazz, Simple 前の記事へ […]